Archives

PRODUCT

多様な姿を見せるAZUSA IIDAの想いをTRUNKに。

鮮やかな色彩と一度見たら忘れられない独特のタッチで雑誌やCDジャケット、ブランドとのコラボレーションに引っ張りだこのイラストレーター AZUSA IIDA。2016年の初個展を皮切りに、積極的に個展を開催し、着実にファンを獲得してきた。そんな彼女の作品にバイヤーが一目惚れしたことからはじまった FREAK’S STOREとのコラボレーション。自身初となるウィメンズウェアをはじめ、Tシャツやトートバッグ、iPhoneケース、ステッカーといった豊富なマーチャンダイズが揃えられた他、渋谷のOPEN STUDIOでは「TRUNK」と題された個展も開催。18個のミニトランクが展示された。アーティスト本人も在廊した開催初日、もう3月だというのに降り始めた雪に負けず、展示に訪れたファン一人一人に笑顔で挨拶する様子から彼女の人柄のよさが伺い知れる。そんな彼女の魅力を伝えるべく、今回のコラボレーションから彼女の作品やルーツについて話を聞いてみた。

商品を作るだけでなく、きちんと世界観が伝わる空間を作りたい。

ーまず今回のコラボレーションのきっかけを教えてください。

もともとわたしの作品を見てくださっている方がいて、そこから今回のコラボレーションのお話をいただきました。展示をベースに活動をしているので、そこから今回のように新しい繋がりやお仕事に繋がったのだと思うととても嬉しいですね。

ー展示を非常に大事にされているとお伺いしました。

今回のコラボレーションも商品を作るだけでなく、ギャラリーでの展示を含めたイベントだったことがとても大きいです。また、きちんと世界観が伝わる空間を作りたいと思いました。

ー今回の展示のテーマは、「TRUNK」ですよね。ずばりトランクケースのことですか?

そうですね。もともとはわたしがトランクに貼られている色々なステッカーに惹かれているところから出発しました。あとは、古くなったトランクとか。そこに自分なりのアートを落とし込めたらいいなってずっと思ってたんです。今回お話をいただいたときに、ギャラリーも使えるコラボレーションだったので、立体に挑戦したいなと思いました。

ーこれまでもレシートを使うなど、立体作品にも挑戦されてきましたよね。

常に描きたいものや使いたい素材、場所があるんです。色々なことに興味があるので、メモに残したり、自分の作品としてどう落とし込めるかを考えています。今はそれを一個ずつクリアしていっています。やりたいことは増え続ける一方ですが。(笑)

ーそして今回そのアイディアのひとつであったトランクが実現したんですね。

本当に光栄でした。今回はトランク自体を一から制作、ペイントした作品で製作期間は2ヶ月くらいでした。話が決まったのはもう少し前のことだったんですが、何をやるか、どうすれば形になるかなどの構想にかなり時間をかけました。

刺繍での線画が繊細に落とし込まれていて、とても新鮮。

ー今回はご自身では初となるウィメンズのアパレルにも挑戦されたんですよね?

これまでもデザイナーさんと組んで様々な商品を発表してきましたが、ウィメンズとしてのコラボレーションは初めてでした。以前挑戦した刺繍の作品をバイヤーの方が気に入ってくださり、その作品を柄として生地にしていただきました。私の作品はカラフルなものが多いのですが、刺繍での線画が繊細に商品に落とし込まれていて、とても新鮮でした。

ーカラフルな作品の印象が強いので、確かに新鮮でした。一方、Tシャツはカリフォルニアを感じるような鮮やかなカラーリングに仕上げられていますね。

FREAK’S STORE のルーツに繋がる場所や創業年を今回は取り入れ、トランクに貼ってある古いステッカーをインスピレーション源にデザインしました。

ー人を題材にすることにこだわる理由ってあるんですか?

人のファッションを見て、シルエットや色、柄、それをメモしては作品に落とし込んでいく作業が楽しいです。そして描く人物に感情移入したりストーリーを想像しながら描くのが好きなんです。

—飯田さんの作品って鼻が特徴的でどこかコミカルですよね。何か子供の頃にみてきたものから影響を受けていたりするんでしょうか?

あるかもしれません。クレイアニメが好きだったので、そこから影響を受けているのかも。(笑) 意識して、というよりは描いていくうちに自分の中でも好みのバランスや描き方が確立していき特徴になったのだと思います。

絵を描くことが仕事になっている父を見て、ずるいなと。(笑)

ーもともとお父様もイラストレーターだとか。

父親も姉も芸術関係だったので、幼少期からテーブルの向かい側に座っては真似をするように絵を描いていました。絵を描くことが仕事になっている、ということが羨ましくてずるいなと思って。(笑)将来は自分もそうなるんだ!と強く思っていました。

ーなかなか全員が出来る仕事じゃないですもんね。アパレルで働いたのは他の業種を挑戦してみたかったから?

そうですね。ひとつの経験として就職活動をし、社会人になりました。好きだったものが音楽とファッションだったので自分の中の好き!に絞って就職をしました。

ーなるほど。今回もFREAK’S STOREのルーツをうまく作品に活かしてますよね。

それは絶対に大事にしています。自分がやりたいことだけではなく、相手の歴史や理念を読み取って、空間に反映できるようにいつも意識しています。

ーファッション界って商業的になりがちなところもありますが、難しく感じたことはありませんか?

やはりアパレルだけとなると難しい部分もある思うんです。だからこそ、アートが求められる事はとても嬉しく、そこから何か新しいものに広げられたらいいなと思っています。ただ絵を提供して商品ができる、だけではなく、こうして一点ものの作品と共にアパレルが生まれるのは熱量が全然違いますね。アートと絡めることによって洋服も特別なアイテムになると思うし、どちらも手に取ってもらえたらいいなと思いながら作っています。

ーご自身の個展もありますもんね。たくさんアイディアがあって、コラボレーションもあって、休む暇がなさそうですね。

そうですね。去年は、「dig dug」というタイトルで版画に挑戦した個展を開かせていただきました。初めてZINEも発表しました。展示の度に全然違う表現を行うので、次は何をやるんだろう、と楽しみに足を運んでもらえると嬉しいです。大変な時期もあるけれど、やりたいことはたくさんあります!今は一人でも多くの人に知ってもらえるように幅広く活動していきたいなと思っています。

 

 

Text_Manaha Hosoda

No Comments
PRODUCT

ピュアな憧れを追いかけて。芸人・上田歩武は刺繍をする。

芸人と刺繍職人。グッドウォーキンの上田歩武は、そんな二足のわらじを履く。お笑い芸人である彼が毎日せっせと刺繍の針を刺す理由は、どこまでもピュアな思春期の憧れにあるという。好きなことを突き詰め続けると、ときとして思いもよらない景色に出会える。彼の等身大の言葉は、そんなことを教えてくれた。

まだ何者でもない。高円寺の居酒屋にたむろしているような夢を追う人です

ー上田さんって、普段はどんな風に自己紹介するんですか?

グッドウォーキンの上田です。刺繍芸人です。って説明するんですけど。ときどきフリーターって言っちゃいますね。謙遜というか、ちょっとまだ照れるところがあって。

ーどうしてなのでしょう。

芸人としても、刺繍の職人としても、まだまだ途中だと思っているんです。どっちもやってるから、「アメトーーク!」に出られたりしているんだけれど、これからだぞ!という思いがあります。

ー刺繍をはじめたきっかけは失恋だと過去のインタビューで話されていますが、そのときから刺繍と芸人でやっていくぞ、という思いがありましたか?

いえ、ぜんぜん。当時付き合っていた恋人が刺繍をやっていて、教わりたかったんですけど、その前にフラれてしまって。とにかく没頭できることが欲しかったんですよね。当時はバイトと月二回のお笑いライブのルーティーンをずっと続けていて、すごく息が詰まっていたから、何かやりたいなと思って。

ー刺繍が心の拠り所になっていくんですね。

刺繍しているときはかなり集中するし、良いきっかけにもなりました。僕はM−1グランプリ18浪人中で、芸人としてはまだ何者でもない。高円寺の居酒屋にたむろしているような夢を追う人です。でもそこに「刺繍をやっている」っていうのが乗っかると、少しだけ興味を持ってもらえるんですよ。インスタグラムが名刺になりました。刺繍とインスタ、やっててよかったな。

ー刺繍をするとき、上田さんはどんな感覚なんですか?

刺繍は塗り絵だと思ってます。色を塗る時って、線を重ねて面にしていくじゃないですか。それといっしょ。一本一本の糸を集めて、面を作る感覚なんです。最初に挑戦するときは難しいかなと思ったんですけど、塗り絵だ!って思ったら意外といけたんですよね。

ーなるほど。そういう感覚で捉えたことはなかったですね。

あとは立体的だったり、触り心地が独特だったりするのがいいですよね。見てくれる人にはよく「上田さんの刺繍は味があっていいですね」って言ってもらえます。僕はただ一生懸命やっているだけで、味のある表現にしよう、とかは考えてないんですけど(笑)。

ー上田さんならではの味が魅力になっているという。

このあいだ母親から電話があって、「あんたなんか最近上手くなってない?あかんやろ!」って叱られました。そのくらい、下手さが大事みたいですけど、365日毎日やってるんだから、そりゃちょっとは上手くなるやろ!って。

アルバイトをしてなんとかスニーカー買ったりしていた頃の延長戦をやってる

ーモチーフのチョイスは、カルチャー好きな男の子らしいですよね。

やっぱりファッションがベースにあって、自分が見てきたスニーカーとかカルチャーネタとかを「おもしろいんじゃないかな」っていうシンプルな発想で刺繍にしたり、紙粘土でつくったりしています。説明したり、インスタでハッシュタグをつけたりもしないんですけど、みんながわかってくれるのがうれしいですよね。「あ、これはカートコバーンだ!」とか、「マイケルジョーダンだ!」って、伝わるから、みんな賢いな〜って。イメージする力はすごいですよね。

ー思春期にハマったものをいまだ追いかけている感覚ですか?

まさに思春期を取り戻していく感覚ですね。アルバイトをしてなんとかスニーカー買ったりしていた頃の延長戦をやってるんですよ。今もそんなにお金はないんですけど。

ー突っ込んだ質問をさせていただくのですが、刺繍だけで生計を立てているんですか?

今は刺繍で生活できています。でも、かなりきついですよ。一つ一つ手でやっているから大量生産できないし、ベースになるキャップとかTシャツも、僕が自費で仕入れているし。なんとかやってますけど、アシスタントになってくれる人いないかな…。

ーアシスタント募集しましょう。この記事で。

あ、嬉しいです。もし希望の方いたら、インスタにメッセージください。

ーたとえば、AIが自動で刺繍をつくれるようになったらどうします?

すぐ頼みます。でもたぶん最初は叱るでしょうね。AIはめちゃめちゃきれいにやっちゃうと思うので、「おれっぽくないやん、ちゃんと下手にやれよ」って叱って、学んでもらいます。

ーあ、「上田さんっぽさ」をAIに学ばせていくんですね。

きれいにやったら僕らしくないんで。僕らしさを学んでいいかんじにやってくれたら、ラクできていいなあ。AIにも個性があっていいとおもんです。賢いやつ、上手なやつ、下手なやつ、サイコパスなやつ。よくわかんないですけど(笑)。AIが僕らしさを覚えてくれたら、あとはたばこ吸いながらのんびりしますね。

サボらず、ハマり続けよう

ーこれから刺繍の他にやりたいことはありますか?

もちろん芸人としてもっとテレビに出たいし、憧れていた人と仕事したいです。ヴィヴィアンウェストウッドとか、アンダーカバーのジョニオさんとかに会いたいですね。単純に自分が憧れてきた、一時代を築いてきた人たちに対するリスペクトがあります。

ーピュアな思いが変わらずにあるんですね。

バリバリありますよ。モテたいとか。

ーモテるんじゃないですか?

いや、ぜんぜん。展示に会いに来てくれる人はいますけど、それがモテにつながるわけじゃないし、まあモテたいっていうか、楽しくやっていきたいですよね。

ー今回の展示では、スニーカーをモチーフにした立体作品もありますが、マイベストスニーカーを3足選ぶとしたら、何にしますか?

スーパースター、エアジョーダン1、コンバースのオールスター…いや、ジャックパーセルかな。スーパースターとジャックパーセルは、昔からめちゃめちゃ履いていたので。ジョーダン1はとにかく憧れてました。憧れすぎて、ジョーダン1のシューレースの紫がかった青を再現したくて、自作したこともあります。

ーどうやったのでしょう?

白いシューレースをダイロンっていう染色材で紫に染めました。ユーズド感も出したかったから、染めたあとにハイターにちょっとつけてみたりして…。ソールもわざと黄ばませたくて、そもそもスニーカーのソールって、なんで黄ばむんやろ?って思って調べたら、「日光と洗剤の残りが反応して黄ばむ」ってことがわかったから、黄ばませるために洗剤を買ってきて、筆でぬって、ベランダに置いて…。

ーものすごい凝り性なんですね。

一度ハマると、とにかく没頭してしまうんですよね。でも、そうやって没頭してきたことがつながって、今こうして刺繍のポップアップをやらせてもらえている。これからもサボらず、ハマり続けようと思います。

 

Text_Taiyo Nagashima

No Comments
PEOPLE

Ken Kagamiが追い求める、真摯で日常的なくだらなさの世界。-後編-

1919年生まれの黒猫・フィリックスは、2019年の100歳の誕生日をこんな風に迎えるなんて、想像もしなかっただろう。フィリックス生誕100周年を記念して、さまざまなアーティストとのコラボレーションアイテムが制作され、彼はいくつもの新しい表情を見せてくれた。フィリックスとアーティスト、それぞれの”らしさ”が際立つ素晴らしいコラボレーションを手がけたKen Kagamiは、アーティストとして、フィリックスに理想の姿を重ねるという。今回の企画の話をスタート地点に、うんこの話、アートについて、宇多田ヒカル…といったいくつものトピックを経由しながら、いろんなことにがんじがらめの2020年において重要な「真摯なくだらなさ」へとたどり着いた。ここにその対話を記録する。(後編)

 

最初から牙を剥いていくっていう。口に出したりはしないんですけれど

ー加賀美さんは、さまざまなブランドとコラボレーションをしていますよね。率直に聞いてしまうのですが、飽きたりはしませんか?

まだ飽きてないですよ。自分が飽きないようにやってます。海外で自分の展覧会をやるときは、100%自分の中で完結するわけだけど、コラボレーションには多少なりとも縛りがあって、その中でいかに面白くできるかって考えます。流れ作業でやったら面白くないから、楽しむようにしてますよ。

ー楽しむ姿勢を持つのって、当たり前のようで、すごく重要なことですよね。

そうですね。たとえばお酒を飲んで酔っ払って暴れたり、ワールドカップで騒いだりするのって、日々の生活の中に楽しいことが見出せず、抑圧されてる感情がボンって破裂しているからなのかも。

ー加賀美さんは常に楽しんで生活している印象です。

でも、僕が朝からinstagramに連投してるのを見て、ムカつく人もいると思うんですよ。「こっちは朝から会社なのに、ワケわかんないもの上げてふざけんなよ」みたいな。そういう感想を持つのももちろん自由だけど、僕のインスタを見て、「会社の休憩時間に見て癒されてます」って言う人もいて、それで癒されるんだったら安上がりだしいいよね。「加賀美さんってバカだなーくだらないなー、よし頑張ろう!」みたいな。それはそれでいいこと。僕は誰かを癒やそうっていうつもりは全くないけれど。

ーそこにあるものを違う目線で見て、一人でニヤニヤ面白がるって、エコというか効率のいい工夫ですよね。

アートってそういうものだと思っています。他の人が「いいよね」「これ高く売れたんだよ」って言っていたとして、「こんなのが高く売れてんの!?」っていう意見が出てくるほうがいい。そこに発見があったりするんですよ、何でも。

ー世の中的に良しとされているものをすぐに飲み込むわけじゃない、という。

もう最初から牙を剥いていくっていう。口に出したりはしないんですけれど、自分の頭の中でそういう感じで見てみる。

ー牙を剥かないと、人間って意外と単純に動いちゃったりしますからね。

そうそう。自分がいいと思う感覚に芯を持つというか。アートってそれが如実に現れる世界だから。

ー面白さも人に教えてもらわないとわからない、っていう人が意外と多いじゃないですか。

インスタにも「これどこが面白いんですか?」とかコメントがあったりして、「これはこうだから笑うところはここですよ」って説明するのは面白くないですよね。僕は説明がないものが好きで。この前マツコデラックスの番組に宇多田ヒカルが出ていて、外に落ちてるものをインスタに上げてることについて説明していて、もったいないなーって見てました。「このゴミはどこから来たんだ?これは何なんだろう、私に見られてるゴミって?」みたいな。「私がステージに立って何万人の前で見られてる感覚と似ている。ゴミの気持ちがわかる」とか。そんな余計なこと、言わない方がいいのに!って奥さんに言ったら、それじゃテレビは成り立たないよ!って言われて。まあそれは分かってるんだけどさ。もったいないなー。

ー加賀美さんだけに限らず、インタビューって不思議な行為だと思うんですよ。作品を見て判断したらいいし、解釈は自由なのに、インタビューは必要な情報なのか?とよく悩みます。その人のこと自体を知りたいという思いや、解釈を助けるための対話は必要なんですけどね。

ああ、そうですね。たしかに。作品を語ってる人ってすごいなって思いますよ。現代美術はちゃんと批評できないとダメで、社会とリンクさせていかないといけないけれど、僕は何かあったら説明したらいいやみたいな。聞かれた時に考えればいいやって。

ー現代美術は文脈が必要ですよね。文脈があるから価値がつくという。

そうそう。でも、1秒で出来た作品で、説明ができなくても面白いものはあるし、やばいものは見てやばいって感じたらいい。それに対して加賀美さん何でやばいって思ったの?って聞かれてもね。やばいじゃん見てみてよ、って思います。違うところ見ていたりするのも、それは面白いし。

ー加賀美さんの投稿しているリアル目なうんこは、結構やばいですよね。ちょっと気持ち悪いんですけど、それが面白いというか。

でもカレー食べてるときにああいうの上がってきちゃったら、嫌だよね。あれでフォロー解除してる人もいっぱいいると思うんですよ。

ー僕も外しかけたこと、あります(笑)。

でも本物のうんこは絶対にあげないでしょ?本物のうんこはだめなんですよ。おもちゃが好きなので。

フィリックスみたいな位置が一番いい

ーSNSって、いろいろな環境を変えていると思うんです。これからアートの価値も変わりそうだなって。

これからはどうやって価値をつけるんだろうね。フォロワー数とか、色んなところコラボレーションしてるとか、有名な人と友達とか?昔もそんなのあったけど、今はもっとすごいよね。フェイクがどんどん出てくるんじゃない?なんか合成で作っちゃったりして。

ー実際にそういうことも起きてますね。

モデルルームで写真撮って、引っ越しました。とか言ってもわかんないですもんね。それだけやってる人がいたら逆に面白いけどね(笑)フォローしちゃう。

ー特別なアートには、どこに線があるのかすごく気になります。それこそ言葉にしづらいことだと思うのですが。

わからないけど、続けることじゃないですか?続けると、面白がって声をかけてくれる人が見つかって、それを見てくれた人が声かけてきて…。そこで気をつけなきゃいけないのは、広がり過ぎちゃうことかな。自分じゃどうにもできないこともあるけれど、いろんな表現方法を持っておくのがいい。

ーたしかに、流行することで終わりは見えてきますね。

日本だと流行するといろんなところで一気に使われて、また新しい人が出てきて入れ替わって…ってなる。難しいですよね。「あ、また見た!」「これもこの人なんだ。」「こんなのもやるんだ!」って思ってもらえれば、多少は長生きできるのかなって。これが飽きられたらもう一個あるわ、ってぐらいに考えておいたほうがいい。自分は揺さぶりをかける感覚でやってるんですよ。字も書くしイラストも描くけど、海外で展示やパフォーマンスもやるし、現代美術もやるし。はたから見ると何やってるんだかよくわかんないかもしれないけど、自分の中では統一しています。

ー何者かわからないくらいがちょうどいい、と。

自分がやっててつまんねーなって思っちゃったら危険信号っていうかね。自分が自分に飽きちゃったらもうダメですよ。最初の話に戻るけど、フィリックスみたいな位置が一番いいと思います。

 

 

Felix the Cat ©2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

 

Text_Taiyo Nagashima

No Comments
PEOPLE

Ken Kagamiが追い求める、真摯で日常的なくだらなさの世界。-前編-

1919年生まれの黒猫・フィリックスは、2019年の100歳の誕生日をこんな風に迎えるなんて、想像もしなかっただろう。フィリックス生誕100周年を記念して、さまざまなアーティストとのコラボレーションアイテムが制作され、彼はいくつもの新しい表情を見せてくれた。フィリックスとアーティスト、それぞれの”らしさ”が際立つ素晴らしいコラボレーションを手がけたKen Kagamiは、アーティストとして、フィリックスに理想の姿を重ねるという。今回の企画の話をスタート地点に、うんこの話、アートについて、宇多田ヒカル…といったいくつものトピックを経由しながら、いろんなことにがんじがらめの2020年において重要な「真摯なくだらなさ」へとたどり着いた。ここにその対話を記録する。

起きてから眠るまで常に普通にくだらなくいる

ーフィリックスって100周年なんですね。ミッ○ーより歴史があると知ってびっくりしました。

ね。だけどミッ○ーの方が人気じゃないですか。フィリックスはこの位置だからいいんでしょうね。ミュージシャンでもアーティストでも、この位置がかっこいいんですよ。自分もこんな風にありたいって感覚があります。

ーその目線で見ていなかったので、新鮮です。

ずっとこのへんにい続けるのって難しいと思う。フックアップされて上まで行っちゃうとあとは下がるだけだし、キープすることが一番大切かなって。ミッ○ーとかキテ○ちゃんとか、もはや大御所でしょ?アートやってる人はフィリックスみたいな位置がいいと思いますよ。

ーフィリックスって白黒のキャラの元祖のような存在なのでしょうか?

全然わかんない(笑)。駄菓子屋に並んでいるガムのイメージですよね。そこもいいんですよ。みんな知ってるけど色褪せない。

ーあのガムって独特の雰囲気があって、記憶のどこかにひっかかっているというか。

そうなの。いい位置にいますよ。本人がどう思ってるかわかりませんが。

ー本人はもっと有名になりたいかも。

ね。意外と野心家だったりして。

ーこれを聞くのは野暮かもしれないんですけれど、加賀美さんがフィリックスを描く時、どんなふうに絵柄を決めていったんですか?

そんなにはいじれないじゃないですか。本家に寄せながら、らしさを出したいと思いました。いい落としどころになったと思ってます。

ーどのくらいの時間をかけて描くのでしょうか?

速いですよ。これは下書きを描いたんですが、普段はだいたい下書き無しで一発。難しいモチーフは最初鉛筆で描いたりするんですけど、かなり速いです。

ー5分、10分とか。

そんなにかからないです。僕は適当に描いた1枚目のラフが一番好きだったりして。頭の中にあるものと極力近い状態の絵が面白いですよね。2回目は意識して描いちゃうから。

ー加賀美さんの絵を見ていると、自分にもできるんじゃないかなって気がしてくるところがあって、でも実際にやってみると全然違うものになりますよね。

絵を描く行為って、10人中9人はやらないですよね。時間があるんだったら他の事をする。でも、絵が得意じゃない人が描くと面白いですよ。テレビでダウンタウンの浜ちゃんが動物の絵を描いて笑われたりしてたけど、すごく良い絵だなって思った。下手だとバカにされるような風潮があるけれど、僕は面白いなって思う。もっと絵に興味がない人が描いたらいいのに。

ー絵に興味のない人が描いた絵を加賀美さんが選ぶ、みたいな企画を見てみたいです。

アートに無縁な人が描いた絵で本とか作ったりしたら、よさそうだね。でもみんな絵を描いてくれって頼まれたら、一生懸命上手に描こうとするでしょ。極力意識せずに、やることないから絵描こう、ぐらいがいいと思うんですよね。

ー脳と手の繋がり方って、人によって違うじゃないですか。頭から指先に行く間に変換されちゃう。そのあたりがピュアに見えてくると面白いですよね。

ね。年を取るほどに、頭の方はどんどん幼稚になっていくのがベストなんじゃないかなって感じがします。いかに頭が歳を取らないようにするか。それはもう訓練でしかないんですけれど。

ーその訓練って、具体的に何をやったらいいと思いますか?

くだらないことを朝から毎日ずっと考えるとかかな。娘が小3なんだけど、彼女の行動を見てるだけで面白いし、絵とかもすごいんですよ。テレビの笑いとかは、全く何とも思わないんだけど。

ー笑い声のエフェクトが鳴る演出って、お約束的ですよね。ある種決まったフォーマットの笑いというか。

そうそう。自分を笑わせてくれるものって自分でしかないから。自分しかわからない面白いことを、起きてから眠るまで考えたい。面白いことを考えようって意識すると不自然なので、常に普通にくだらなくいるというか、自分が面白いなって思うことを誰かに言うわけでもなく、ただずっと考えていたり、ニヤニヤしたり、そういう感じですよね、一年中。

関連商品一覧はこちら

それは大人になってからわかるのかもしれない

ー加賀美さんって、くだらなさを追い求めながらも、すごく紳士ですよね。

紳士?ジェントル?ほんと?ははは。

ー世の中や人のことをよく知っているんだなっていう感じがします。ギリギリ社会的なうんこをやっている、というか。

そうかな?ニュースを見て、世の中に何が起きてるか知ろうとはしてますね。ジャーナリストとかではないから詳しくは分からないけど、全部斜めから見るようにしてるんですよ。ニュースも、SNSも、全て。変な意味じゃなくてね。そうすると違ったところが見えたりして面白い。そういうことを常に考えているので、見る人によっては色々感じるのかもね。一部だとは思いますけど。「くだらねえなぁ」でいいんですよ。自分もやっててわかんないんだから(笑)。

ーいろんな人から信頼されているとも思います。

そんなことないよ。ぜんぜん友達いないもん。いつも家にいます。「加賀美さんは来ない」って感じになっちゃってる。家族もいるしね。自分の展覧会のオープニングとか、仕事でやったやつとかは行きますけど、人がいっぱいいるところ苦手で、何かダメなんですよね。

ーVOILLDの伊勢さんは「加賀美さんはVOILLDの父っす!」って話してましたよ。「真剣に叱ってもらったことがあって、感謝してます」って。

うそー。不思議な感覚ですね。この歳になると仕事する人とか、友達とか、ほとんど年下なんですよ。

ーどんな感覚ですか?

バカみたいな下ネタをワー!って話してても、「僕が一番年上だな」とか、ふとした時に気づいて、「はあ」みたいな。ちょっと悲しいというか。しょうがないんですけどね。

ただ、お店に小学生とか中学生が来て「ファンです」とか「面白い」とか言われると一番嬉しいです。同じ年とか上の世代の人から言われるより、自分の子供くらいの歳の人から面白いと言われると、良かったなって。

ーそういう子達は理屈や損得で見てるわけじゃないですもんね。

そうですね。だからといってそっちに寄せるとか、若い人が面白がるようにやるってわけではないですけれど。

ーそういう若い人たちが「面白い」と感じるのは、どういう部分なのでしょうか。

僕がやってることはチャイルディッシュな物事をモチーフにしているからかな。裏にあるものは違うんだけれど、それは大人になってからわかるのかもしれない。パッと見はポップで、単純に面白いと感じるというか。

ー子どもの頃、サザンオールスターズの「マンピーのG★スポット」って曲をカラオケで歌っていたら、周りの大人がクスクス笑ってたんですけど、そういう感覚かもしれないですね。意味はわからないけど好き、っていう。

ああ、いい歌ですよね。それに近いのかも。

 

 

-後編へ続く-

 

Felix the Cat ©2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

 

Text_Taiyo Nagashima

No Comments
PROJECT

DAY TRIPPER 2019 -The Innovative-

FREAK’S STORE創業者である鹿島研は、時代は変われど、今も相変わらずアメリカを車で旅することをライフワークにしている。「DAY TRIPPER」と題したその旅では、自身の原点に立ち返り、その場所の空気感や匂いを感じるものに触れている。そしてその旅で出会った、現地でしか手に入らないものをスーベニアとして、エキシビジョンにて販売している。

 第6回目となるエキシヴィジョンでは、「The Innovative」をテーマに展開。7月4日アメリカ独立記念日にワシントンD.Cへ行く、ということだけを決め、あとは気の赴くままに街から街へと訪ねた。そこでこの度、旅を記録した写真集「DAY TRIPPER 2019 PHOTO EXHIBITION & POPUP SHOP」のオープニングレセプションにて、「アメリカの旅」をテーマに、鹿島研、写真家の谷口京氏、そしてトラベルカルチャー誌TRANSIT編集長である林紗代香氏が司会をつとめたトークショーが開催された。

「Made in U.S.A catalog」を見て欲しいなと思ったんですけど、実際にアメリカに行ったらそんな格好をしている人たちはいなかった」(鹿島)

林紗代香 「DAY  TRIPPER 2019」の写真集を、TRANSIT編集部の方で編集をさせて頂き、鹿島社長と、谷口さんと一緒に制作をすることができました。アメリカの旅でTRANSITとして思い描いたのが、写真家として谷口さんでしたので、今回トークショーにお招きをいたしました。お2人にアメリカの旅をお聞きできたらと思いますが、初めて訪れようと思ったきっかけや、どれくらいの期間行かれたんでしょうか?

鹿島研 私が初めてアメリカの旅をしたのは、19歳のときになります。私は1961年生まれなんですが、まさに「平凡パンチ」やアイビーが流行っていた時代で、その「平凡パンチ」が「POPEYE」に変わっていくんですけど、その間に「Made in U.S.A catalog」というのが、1975年に発刊されまして。そこで初めて見たアメリカの文化にもの凄くショックを受け、いつかアメリカという地に、自ら行ってみたいなと思い19歳のときにロサンゼルスからサンフランシスコまで、約10日間かけて車を借りて旅をしました。そのときに得たインスピレーションが、FREAK’S STOREの創業に繋がり、またその歩みが今に繋がるといった感じですね。

 そのときは1人で行かれているんですか。

鹿島 そうです。1人で行って、でも商売をしていたわけではないので、基本的には友達に向けたお土産をそのときはみつけていました。当時、日本の歯磨きというのはチューブだったんですけど、アメリカに行ったら歯磨き粉が立っていたんですよ。パッケージが三色で、なんだと思って買って押してみたら、赤白青って三色が出て来て。こりゃすごいなと思って10個くらい買って、お土産に渡したらそれがうけて。当時200円くらいで買ったものを、「これいくらくらいなら買う?」と聞いたら、「800円くらいなら買うかも」と。それで、これをアメリカで買って、日本で売ったら商売になるのかなと思ったんです。

 買い付けに行こうだとか、何かを見ようだとか、具体的な目的があったときはどんな感じだったんですか?

鹿島 501と、RED WINGのブーツと、Eddie Bauerをどこかで買おう、みたいな。最初は自分用でしたけど、そんな感じでしたね。

 どこで買おうとか、目処をつけていたんですか。

鹿島 それが、売っている店がないんですよ。「Made in U.S.A catalog」を見て欲しいなと思ったんですけど、実際にアメリカに行ったらそんな格好をしている人たちはいなくて(笑)。その頃は、デニムをロールアップして、ウエスタンブーツを履いて、ワゴン車に乗って大陸を旅するみたいなイメージがあったんですけど、そしたら「お前、テキサスから来たの?」とか言われまして。カリフォルニアでは、そんな格好をしている人が誰もいなかった。結局、行くのは作業屋ですね。そうすると、Eddie BauerやL.L. Beanなどのジャケットがあったり、ウエスタンブーツはTimberlandの奥に置いてあったりして。「服屋に売っているわけじゃないんだ」と驚きましたね。

 それが40年前のことなんですね。谷口さんは、どんなアメリカの旅をなさってきたのですか?

谷口京 大学3年のときにアメリカに行きました。当時は、芸術学部の写真科に通っていたんですけど、パスポートをとって、お金を貯めてですね。最初にロサンゼルスに飛んで、当時、空港の近くにロケットレンタカーというのがありまして、そこで一番安い車を借りて旅をしました。

「真っ直ぐな地平線とハイウェイを観たときに、「ああ、来た」と思いましたね」(谷口)

 2人とも1人で行かれたんですか?

谷口 僕は1人で旅をしました。日本にいたときに、アメリカの地図を見ていたんですけど、「死の谷(デスバレー)」とあって、一体どんなところなんだろうって。僕は田園都市線上で育って、一戸建てに並木道がある、ある種、画一化されたイメージのところに住んでいたので、幼いときから「世の中はこれだけじゃない」とずっと思っていたんです。それでテレビで、「野生の王国」や「シルクロード」などを見て、海外へいつか行ってみたいなと思っていたんですね。それで、アメリカに行きまして、ロサンゼルスから車で走り始めて、ラスベガスへ向かう途中で一気に砂漠が広がるんですよ。そのときの真っ直ぐな地平線とハイウェイを観たときに、「ああ、来た」と思いましたね。それで、死の谷へ行きました。

 鹿島社長は、「DAY  TRIPPER」と題して旅を始めたわけですけど、始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

鹿島 もともと自分でアメリカに行って、自分が「これ格好いいな」と思ったものを仕入れて、それをお店に持っていって陳列をして、お客さんに熱く語って買ってもらうということをしていたんですけど、もう一度自分で見に行って、自分で欲しいと思うものを探してみようと思ったんです。それでシアトルから、ロサンゼルスまでを2週間旅をしまして。グロッサリーに寄ったり、陶器を作っている工場に寄ったり、ポートランドにはキャンバスの生地を使ったバッグを作っているところがあったり、街のステッカーとかを集めたりして。そうやって集めた、日本ではありそうで売ってないものの物産展をやろうと思ったんです。アメリカへ行き出して2~3回目くらいから、まとめて買って頂くという現象が起き始めまして。好きな人には、同じチューニングで通じるものなんだということを感じましたね。

 今年の夏は東海岸を中心に、アメリカの建国をテーマに旅をされたようですが。なぜ、そのようなテーマで旅をしてみようと思ったのですか。

鹿島 アメリカという国が作ってきたカルチャーに人生の大半を費やしてきたんですけど、この偉大な国はどういう風に作られたのかと考えたら、非常に血なまぐさい戦いの歴史があり、またそこにある自由や権利とはなんなんだろうと。その歴史を感じる地に立ってみたいということで、独立宣言のあったワシントンDCへ行きました。同じ場所に立って、同じ風を感じたいという目的が「DAY TRIPPER」にはあるんです。ちなみに、今まで一番鳥肌が立って、涙が出たのはウッドストック。あのステージがあった場所に立って、風を浴びた瞬間、「ここであの朝、観客が寝ている中でジミヘンがあれを弾いたんだ」と思ったら鳥肌が立って、涙が止まらなくなくなりましたね。感動しました。

 2019年の旅で、印象に残っていることはありますか?

鹿島 独立記念日をホワイトハウスで迎えようと思ったんですが、途中から、アンディ・ウォーホルがピッツバーグで眠っているということを聞いて、このままピッツバーグまで足を伸ばしてウォーホルのお墓に星条旗をたてたいと思ったんです。独立記念日には、アメリカの国旗をたてる習慣があるんですね。それでウォーホルのお墓に行ったんですけど、本当にさまざまな建築家や芸能人とともに写真に収まっている人が、ピッツバーグの街を外れた普通のお墓に眠っていたんです。そこに世界中から人々が訪れて、キャンベルの缶を置いたりしていて。墓地の隣にはウォーホル・ミュージアムがあって、お母さんが絵を教えている写真や、小学校のとき描いたラクガキや、大学に入ったときに描いた絵などが展示してありまして。やはり小さなときから天才的なのがわかる。ウォーホルが好きなのであれば、是非ピッツバーグにあるミュージアムを訪ねてもらいたいですね。

 鹿島社長はルートをあまり決めないで、行きたいと思ったところへ行かれていますが、谷口さんはどのようなスタイルで旅をされていますか?

谷口 自分も決めないですね。もちろん、どこどこで何をみたいとか大まかなことはありますけど、行き当たりばったりなことが多いです。それとアメリカはハイウェイではなく、横の小さな道を辿るようにしているんです。日本でも国道よりも、旧街道を行くほうが好きだったりするので。

No Comments
PROJECT

デイトナがクリエイションを発信し続けるギャラリースペース「OPEN STUDIO」とは

フリークス ストア渋谷店に併設されるギャラリー「OPEN STUDIO」。

この空間の主ともいうべきディレクターの落合に、実験的な取り組みを発信し続けているOPEN STUDIOの歴史を紐解いてもらった。

—OPEN STUDIOを始めるにあたっての経緯を教えてください。
フリークス ストアの旗艦店である渋谷店が2017年にリニューアルするにあたり、構想の段階からギャラリースペースの計画はありました。さらなる新しい価値を創造する路面店のあり方をメンバーで議論を重ね、フリークス ストアとは一線を画したギャラリースペース「OPEN STUDIO」が生まれました。

—OPEN STUDIOの存在意義とはどのようなところにあるのでしょうか。
OPEN STUDIOは企業価値向上(ブランディング)の活動場所として、様々な価値を発掘・編集・発信することによる出会いが既存ビジネスの繁栄や新規ビジネスの創造のプラットフォームとして機能することをミッションにしています。

—企画内容はどのようにして決定されていますか。
キュレーションの内容は大きく3つに分かれます。まずは私自身のノリ(直感)でアーティストやブランドを選定・編集するパターン。2つめはフリークス ストアで扱うブランド(MD)をさらにブラッシュアップして編集するパターン。3つめはスペースをお貸出しして借主が自由に編集するパターンと様々です。

—これまで大小様々なイベントが開催されてきたと思いますが、特に印象深い企画は何でしたか。
まずは2017年に開催した、PARK DELICATESSEN POP UP SHOPです。プライベートでNYに行った時に目に止まったブルックリン発のローカルショップで、フラワーとスケートボードといったコンセプトが面白くて個人的にインスタでもつながっていました。OPEN STUDIOの誕生により、オーナーのマイケルに直談判してポップアップが実現しました。ローンチパーティは非常に盛り上がり、アイテムも当日でほぼ完売。次シーズンからフリークス ストア全店で独占的に契約販売につながりました。

つぎに、2018年開催のYOSEMITE CAMERA STRAP CUSTOM POP UP SHOPです。20代の頃から付き合いのある写真家HOBBY IZAKI率いるスモーキーサンデーが提案するYOSEMITE CAMERA STRAPのリニューアルのタイミングでカスタムオーダーショップを開催。期間中はカメラのストラップとしてだけではなく、iPhoneやキーホルダーに付け斜めがけし、ファッションアイテムとして提案したことから、現在大人気のYOSEMITE MOBILE STRAPの開発・販売につながりました。

—まだ記憶にも新しい、今年反響を呼んだ企画もあったかと思います。
マルチクリエイター「米ちゃん」こと米原康正氏とのコラボ企画は大きな反響がありました。男性にはおなじみ?のロケーション「例のプール」をファッション的に解釈したインスタレーションで、モデルのモーガン茉愛羅さんを起用した作品や、例のプールをアイコン化したファッションアイテムを提案し、ローンチパーティ当日でほぼ完売しました。数多くの芸能関係者の着用もあり、その後はオンラインショップにて継続的に販売し、偽物商品も多数出回るほどでした。

また、8/18まで開催しているRVCAが年一度開催するWORLD TOURをベースにしたイベントでは、作家・コメディアン・料理人など様々な肩書きを持ち、RVCAとも深い関係を持つ「MATTY MATHESON」とのコラボレーションアイテムをローンチ。マティ本人も来場し、ウェルカムフードとしてチーズバーガー300食を振舞い、600人に及ぶ大行列ができました。コラボアイテムも当日で完売し、RVCAのアーティストネットワークのパワーを改めて感じたイベントでした。

—運営上、大切にしているポイントはありますか。
常に新しいネタを探さなければならないという使命感は強く持っています。また孤立奮闘しながら進めていくストレス耐性や、アーティストとのコミュニケーション能力が試される場面は多くあります。

—今後はどのような発信をしていく予定ですか。
社内でもギャラリー活用の意識が高まってきているので、様々な角度からさらなる新しい価値を発掘・編集・発信していきたいと思っています。また国内だけではなく、海外からのオファーも少しずつ増えてきているので、日本でキュレーションするならココみたいな感じでさらに認知度を上げてたくさんの良い出会いを創造していきます。

落合 輝
Creative Design Office.ディレクター
PROFILE:1972年生まれ。1995年入社。販売スタッフ、店長、PR、販売促進などを経て2017年現職に。フリークス ストアの旗艦店である渋谷店に併設するギャラリースペースOPEN STUDIOのキュレーターとして様々なアーティストやブランドとコラボレーション活動する傍ら、企業ブランディングやロイヤリティビジネスにまつわるアートディレクションやグラフィックデザインも担当する。

No Comments
freak