Top

「東京から発信する時代は終わり」大久保 聡志のスタイルとこの先

さまざまな体験・体感コンテンツが充実し、訪れるたびに新しい発見を得ることができるThe Camp FREAK’S STOREで、今ライフスタイルのひとつとして大きな注目を集めているSNOW SURFカルチャーに触れることができるイベント『GOOD KARMA -SNOW STREAM-』が1月30日(土)〜2月7日(日)の期間で開催される。〈GOOD KARMA〉を主催する大久保 聡志氏が展開するブランドショップ〈CAPTAINS HELM〉の前に到着すると、渋いアメ車を眺めながら数人で会話を楽しんでいた。店内に併設している〈HAUNT COFFEE STAND〉の美味しいコーヒーで一呼吸置いてから、大久保氏の生い立ちから人生の遊び方、今後の活動について話を伺った。

Text_publicdevice

―まずは幼少期に遡って話を聞かせてください。

うちの母ちゃんの地元が東京・池袋なんですけど、母ちゃんの男兄弟が何人かいて僕の伯父さんにあたる男家族、そして例外なく自分の親もサーフィン、スケートボード、スノーボード、キャンプ、ゴルフ、フィッシング、バイクといった男の子がやりそうなものは全部やってたんです。みんな同じような遊びをしていたので週末になると家族でそういう遊びに出かけるってことが恒例でした。自分がまだ1〜2歳ぐらいの頃の写真を見返してみると、スケートボードに乗っていたり釣竿を持っていたりする姿が結構あります。ゴールデンウィークになると千葉にサーフィン合宿に行き、お盆の時期になると新島で10日間過ごしたり、毎週末キャンプや釣りなどに行くっていう生活のルーティーンを経てきているので、いま自分がやっていることは全然特別なことではないんです。

単純に子供の頃から続けてきた遊びがそのまま大人になった現在でも続いているという感じですね。自分のブランド〈CAPTAINS HELM(キャプテンズヘルム)〉から発信している遊びは、僕が子供の頃からずっとやってきた遊びなんですよね。「趣味が多いよね」とか、色々なことが出来てすごいねってよく言われるんですけど、俺からしてみたらそれが当たり前のことで。

―周りの人間からしたらある意味異端な存在だったんですね。

中学・高校生の時期はたくさん遊びを知っていたお陰で男女共にモテました。友達同士でサーフィン行こうよってなった時、すでに教えたり出来たし、高校に上がってキャンプしてみたいって誰かが言ったら、道具も持ってて、パパッとテントを張れたり。そういう周りの子が持っていないスキルが自然と備わってたのでそういう部分でもモテてたと思います。今自分は37歳なんですが、この歳になってやっぱり感じることがあるんです。20代前半の子がお店でバイトしたり、後輩たちがコーヒーを飲みに来てくれたりするのを見ていて、みんなもっと外遊びした方がいいのになって。だから最近は積極的に外遊びの面白さを話したり、実際連れて行ったりして、その魅力を伝えています。

―聡志さんとファッションの出会いを教えてください。

どの時代も変わらないと思いますが、男の子が最初に洋服を買い始める理由って単純に女の子にモテたいからじゃないですか。子供が古着屋に通い始めてLevi’sとLeeの違い、Wranglerって何?赤ミミって何?といったことを経て知識をアップデートしていき洋服というものが自分のライフスタイルのひとつになるというか。自分もそれは同じです。
ただ親がサーファーだった分、70年代〜80年代のカリフォルニアのサーフやスケートファッションは大きな影響を受けました。当時はよく親のOPとかHANG TEN、VANSとか借りパクしていました。20才くらいでロードトリップしたカリフォルニアで、LAで見たスケーター、サンディエゴで見たサーファー、サンフランシスコで見たアーティスト、それぞれに大きな衝撃を受けたことがいまのベースにもなっています。

今店の外にいるロン毛のおじさんがいるでしょ?タケシさんっていう初期のFREAK’S STOREにいたカリスマ中のカリスマな存在で。ああいう先輩達から、自分達も東京カルチャーをしっかり継承して次世代に残していかないといけないと思ってて。いまは時代も進化してるし、情報量も多い。当時のカルチャーやファッションをそのまま焼き回して打ち出すのではなく、自分たちなりのフィルターを通して外遊びだったり今のライフスタイルをちゃんと付随させて見せていきたい。だからファッションも遊びも大好きでっていう部分を俺たちが本当に楽しんでいるのを極力映像に残してるんです。それを観て「うわっ!ヤバい!格好良いじゃん!」って思ってくれる若い子が1人でも増えて、遊び、服、車っていう東京カルチャーに対して繋がっていく流れを作れたら良いなと思っています。

―今ハマっている遊びを教えてください。

僕が今いちばんハマっている遊びのひとつがバスフィッシングです。子供の頃もやっていたんですが大人になってやってみると道具が格好良いんですよね。なんと言っても相手が生き物だから“絶対”がないんですよ。それに自分がCaptains Helmのアパレルをデザインしているのでフィッシングに着る服で欲しいものが売っていなかったら作ればいいんです。それで作ってみると、釣りをやっていた周りのやつからコレ良いじゃん!って反応がもらえたりするんですよ。

―自分で好きな物を作って発信していけるのは強みですね。

これはキャンプ、サーフィン、スノーボードにも共通して言えることなんですが、僕たちが作っている服に周りの人が共鳴してくれているのは、遊ぶ現場に行く時の為、使う為に自分でここはこうした方がいいなとか思ってアップデートしていきながら作っているものだからだと思っています。自分は千葉出身のサーファーでもなく、群馬出身のスノーボーダーでもない。東京がベースで海や山に遊びに行かせてもらってる立場で、また東京に帰ってくる。ということはそのまま車のまま渋谷に行ったり原宿に来たりすることは当然じゃないですか。そうなると海や山に行く格好自体が都内でも普通に着ていてもおかしくないものじゃないと、わざわざ着替えないといけなくなるんですよ。そういった感覚がリンクして今の形になっているので、アウトドア過ぎないデザインだったりが共感してもらえてると思います。

―〈GOOD KARMA〉はどうやって生まれたんですか?

HELMブランド単体から発信していくのが勿体無いなと思ったんです。だから友達を巻き込んで、イベントだったり動き的な部分を強化して今年から始動させた〈GOOD KARMA(グッドカルマ)〉というイベント名というか、自分たちの動きに名前を付けた感じですね。コロナによって世の中の流れが変わって、会食やクラブで遊んだりっていうのではなく、皆アウトドアに興味を持ってシフトしているんです。GOOD KARMAの1発目を開催する〈The Camp FREAK’S STORE〉は、FREAK’S STORE古河店とOrange Outdoor Shopをくっつけて新たなアウトドアスタイルを発信できる良いお店だなと思ってます。都内のゴチャゴチャしたタイトな場所で買い物するってことは今まで皆やってきたことですが、都内に住んでる奴が半日・1日使って行けばいいじゃないですか。車が停められて、ゆっくりコーヒーを飲みながら買い物が楽しめる最高な状況を作っているから、FREAK’S STOREがやっていることは正直イケてるなと思いますね。

―スノーサーフという新しいスタイルを提案していますがどのようなものなんでしょうか?

スノーボードにも細分化したスタイルがいくつかありますが、言葉のままで雪山でサーフィンの感覚を楽しむものです。自分の気持ちいいラインを描きながらクルージングしていき、地形を使って雪山でサーフィンをする“スノーサーフ”っていうカテゴライズなんですよね。ここ数年自分もどっぷりハマってて楽しませてもらっています。横ノリの感覚が好きな人は絶対好きだと思います。世界的にも注目されている〈GENTEMSTICK〉がこのカルチャーを牽引しています。雪山でこの板を乗っている人も皆ハードコアでカッコいいですよ。

―今回のポップアップではどんなことを伝えていきたいですか?

はっきり言ってモノが売れなくてもいいんです。古河に来る人達の目に、こんな形の板があるんだ!これは一体何なの?って感覚を植え付けられたらいいなと思っています。面白くて格好いい先輩達が作ってきた遊びや、アウトドアもファッショに付随するカルチャーも数珠つなぎに皆に伝えていく役割にならないといけないなと思っています。こんな言い方は変かもしれないけど、正直うちのブランドが売れるか売れないかはどっちでもいいんです。それよりも、これは大切だよねって部分を皆に伝えていかないといけないし、先輩たちがみなツッパってここまでやってきたのに、俺らがサボっちゃったら超ダサいので、そこは同世代に伝えていきたいですね。だから仲間や協力者をどんどん集めてやってるんです。

―今後のファッションについてはどうお考えですか?

先輩達が作ってきた東京カルチャーにリスペクトを持ちながら、ファッションとしてもライフスタイルとしても再提案する日が来ると思っていて。
洋服としての実用性、リアルさも重要になってくると思います。
コロナによってファッションだけを追い求めすぎていた状況からリセットされて、新しい2021年を作っていく上でファッションはもちろん前提にはあるけど、もうちょっと深掘りしたライフスタイルだったり家族で過ごしたりっていう時間的なクリエイションをセットで提案していかないと洋服的な価値が薄れていってしまうと思っています。

―〈GOOD KARMA〉の今後の予定を教えてください。

東京からだけ何かを発信するのはもう時代遅れかなと思います。カルチャーも、本物も、日本全国に散らばっていて。そこをしっかりフォーカスして、GOOD KARMAは全部東京以外の場所から発信したいと思っています。それが古河、和歌山、千葉、その後も続けて行く予定です。次の冬には北海道/ニセコでやれたら面白いと思ってます。それが自分たちの目標としているところであり、それが2021年の自分たちとしてのカルチャーの新しい見せ方かなと。全国の先人たちが作ってきた格好いいことを俺たちが継承してどう発信するのか?猿真似じゃなくやる方法が自分的にはこれかなと思っています。サーフィンもスケートボードもスノ―ボードもそれぞれ波やライン、フロウがあるじゃないですか。人生も同じで焦ることなくコロナの波に乗ればいいし、時代の進化をキャッチしてその時のフロウで一番格好いいスタイルで楽しさを求めていかないといけないですね。